導管の腐食検査ピグ
はじめに
高圧導管の健全性において、減肉は極めて重要な問題です。減肉の原因には腐食、他工事による建設機械の接触、船舶の投走錨(海底導管)などがありますが、減肉状況を把握することは高圧導管の状況を確認するために不可欠です。そのため、当社ではROSEN社が所有する導管の腐食検査ピグ(RoCorrシリーズ)を用いて減肉状況を定期的に計測することにより、高圧導管の健全性の評価およびメンテナンスに有用なデータを採取することができます。
装置概要(外観写真および装置構成)
特長
- 高圧導管の腐食検査と配管敷設形状を同時に行うことができます。t
- ホール効果を利用したホール素子磁気センサを用いることにより欠陥形状を高精度に検出できます。(腐食とその他欠陥の判別可能)
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3次元慣性システムにより、配管敷設形状が高精度に検出できます(線形形状および曲げひずみ)。
また、ステーションなど地上部で測位座標との結合点を設けることにより、高圧導管に対して1/2000の精度で3次元座標を設けることができます。
- 供給ガスを用いたオンライン検査が可能ですので、ガスの供給を停止する必要がありません(ただし、検査ピグを装填、取出しする設備であるランチャー、レシーバーが必要)
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オプションとして、スピードコントロール機構を搭載することにより、供給ガスを高流速に維持したままでのオンライン検査が可能です。
また、ガスの流速にバラツキがあっても、検査精度への影響を最小限に抑えることができます。
腐食測定原理(漏洩磁束方式)
管壁に磁石などを用いて、磁場(飽和磁束)を作ると、腐食などによる減肉部がある場合は磁力線が漏洩します。その漏洩磁束をホール素子磁束センサにより検知し記録します。全周に配置した複数のセンサーによる配管全長の検査データを用いて解析を行うことで、配管の腐食箇所や大きさ、深さなどを測定することができます。
装置緒元および標準検査精度(母材部)
※1 標準設備の値。下回る場合にはROSEN社に確認必要
※2 Aは管厚が10mmを上回る場合は管厚、10mm以下の場合は10mm
※3 検知確率90%の場合
※4 信頼度80%の値
検査結果の出力例
専用Viewerソフトウェアを用いることで、
- 検査結果の画面表示
- 検査結果のリスト、グラフ表示
- きず評価
- 安全性評価
- 欠陥の相互作用の計算
- 印刷、既存GISアプリへの出力等
を行う事が出来ます。