パイプラインルートシミュレーター(PLRS®)によるルート選定
はじめに

図-1 PLRS®の画面イメージ
従来、陸上パイプラインのルート選定は、机上検討と現地調査を繰り返すことで実施してきました。即ち、地図等を用いた机上検討後に現地に赴き、パイプラインの敷設場所となる道路の状況(高架・トンネルの有無、交通量、道路形状、他埋設物、家屋密集度 等々)を確認した後に机上にて再検討し、再び現地調査でそれを確認するという繰り返し作業となり、非効率な作業となっていました。
そのため当社は、現地調査前に「必要な情報を収集し要調査個所を抽出しておく」すなわち、「分からないことを調べに行く」のではなく、「分かっていることを確認に行く」ことで、現地における調査を効率的に行い、高精度のパイプラインルートを決定できるようGISを応用したパイプラインルートシミュレーター(以下PLRSⓇ)の開発を行いました。PLRSⓇの画面イメージを第1図に示します。
PLRSによるルート選定の特長
- クラウドサーバーおよびWebブラウザでの稼働によりだれでもどこでもいつでも作業が可能
- メンテナンスフリーで種類の多い背景地図(図-2参照)
- 最短ルートの検索が可能
- 地図上の任意の位置(道路以外)をルートにできる。
- 高度なセキュリティ
基本的な機能

図-2 表示可能なマップの種類
- ルート検索機能(歩行者・車両モード)
- ルート属性の表示(区間延長・道路幅員etc.)
- 自由で簡単なルート編集
- 目的に応じたマップデータの使い分けによる周辺環境の把握
- CADデータ交換機能
- 各種ハザードの表示と簡易判定機能(図-3,4参照)
- エンジニアリング成果・情報の地図への埋め込み
- 関係先等との協業機能
- モバイル機能(タブレットでの使用)
- A.H.P(Analytic Hierarchy Process )によるルートの評価機能

図-3ハザードの種類

図-4 ハザードとルートの交差の例
導入の効果
PLRSⓇの導入により、以下に示す効果が得られます。
- 操作性の向上によるルート検討の効率化
これまで探索が困難であった、最短経路が容易に見つけられるなど、簡単な操作で複数のルートが、属性(道路情報・数量)を含めて探索できるため作業の効率が大幅に向上します。
- ルート変更などによる再調査リスクが低下
事前に情報を得たうえで現地に行くため、想定外の事象に遭遇する可能性が低下するとともに現地での作業量の減少が図れます。
- 短期間で高精度な調査
車両で調査を行うMobile Mappingを併用することで、短期間に高精度な情報を収集することが可能となります。
- データの一元管理によるミスの防止・低減
関係者全員がリアルタイムに同一の情報を使用することが可能になるため、情報に関わるミスの低減が図れます。
- A.H.P(Analytic Hierarchy Process )による合理的なルート選定
プロジェクト毎に重視する項目を設定し、ルートの選定を個人の主観を排して合理的に行えます。
施工実績
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